この記事のポイント
- レンタルのLTVはARPU ÷ 解約率で近似でき、継続率が採算を大きく左右する
- 1着あたりの貸出回数(回転数)が原価回収スピードを決める
- 購入転換(Redeem)と返却品再販は、LTVを底上げする追加の収益ライン
- 数値は例示です。自社の会員数・単価での試算は収益シミュレーターで確認できます
アパレルレンタルを事業として判断するには、感覚ではなくユニットエコノミクス(1会員・1着あたりの採算)で見る必要があります。この記事では、MRR・LTV・回転数・貢献利益の計算式と、モデルケースでの試算方法を解説します。
レンタルサブスクの収益構造
レンタルの売上は「月額×会員数」のMRRが中心です。ここに購入転換(Redeem)と返却品の再販という2つのスポット収益が乗ります。コスト側は送料・クリーニング・在庫毀損・プラットフォーム利用料・取引手数料が主な項目です。
主要指標の計算式
- MRR = 会員数 × ARPU(会員あたり月次単価)
- 月次解約率 = 当月解約数 ÷ 当月総会員数
- LTV ≒ ARPU ÷ 月次解約率(貢献利益ベースならARPUを1会員あたり貢献利益に置き換える)
- SKU回転数 = 当月貸出回数 ÷ 保有点数
- 1会員あたり貢献利益 = ARPU −(送料+クリーニング+在庫毀損配賦+手数料)
モデルケースで試算する
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 会員数 | 500名 |
| ARPU(月次単価) | ¥6,800 |
| MRR | ¥3,400,000 |
| 月次継続率 / 解約率 | 93% / 7% |
| 会員あたりLTV(単価ベース概算) | 約¥97,000 |
| SKU回転数 | 月1.8回転 |
このケースでは、解約率が7%から5%に下がるだけでLTV概算は約¥97,000から約¥136,000へと大きく伸びます。継続率の数ポイントの改善が、採算に不釣り合いに大きく効くのがサブスクの特徴です。
コスト側で織り込む項目
- 物流費:往復送料。店舗受け渡し(OMO)を使えば一部を圧縮できる
- クリーニング・メンテナンス:返却ごとに発生。回転数が上がるほど1回あたり単価の管理が重要
- 在庫毀損:貸出回数で減価。回転数×耐用回数で1着あたりコストを配賦する
- プラットフォーム利用料・取引手数料:Circleのプラン料金と取引手数料(プランにより変動)
購入転換とデッドストック再販で採算を底上げする
購入転換は、解約しかけた会員をLTV向上に転換する追加収益です。返却品の再販は、耐用回数を終えた在庫を廃棄せず現金化します。この2つを織り込むと、レンタル単体では見えにくい貢献利益が改善します。
自社の会員数と単価で試算する →
収益シミュレーターを試すよくある質問
Q. LTVはどう計算すればいいですか?
簡易には ARPU ÷ 月次解約率 で概算できます。より正確にはARPUを1会員あたり貢献利益に置き換えて計算します。
Q. 回転数はどのくらいを目安にすべきですか?
一般的な目安は月1.5〜2.5回転です。回転数が高いほど1着あたりの原価回収が早まりますが、クリーニング頻度も上がる点に注意します。
Q. 購入転換はLTVにどう影響しますか?
解約タイミングでの購入は、失うはずだった会員から追加収益を生みます。LTVの実績値を押し上げる効果があります。
Q. 記事の数値は自社にも当てはまりますか?
数値はデモ用の例です。実際の採算は会員数・単価・原価構造で変わるため、収益シミュレーターで自社の数字を入力してご確認ください。
